長崎と世界のバックパッカーを繋げる

こんにちは。

お盆に向けて帰省ラッシュに沸く全国各地、長崎は”精霊流し”と言って、大きな山車を引いて

爆竹を爆音で鳴らしながら街を練り歩く行事があります。

はい、けっこうスリリングです。

カフェ巡りは休日のルーティーン、長崎のまちにもお気に入りのカフェがいくつかあります。

そのひとつに、長崎駅前のすぐ近く、西坂というエリアにある Cafe ROUTEさん。

ROUTEさんのサンドイッチが超絶的に美味しくて、よく足を運んでいたのですが、留学中にフェイスブックを見ていたら、なんとゲストハウス施設が併設されたのこと。過去の記事でゲストハウスについても書いていた様に、少しそのフィールドに関心があった私、”長崎に帰ったらぜひお話しを伺いたい・・!”

\ついに念願かなって行って参りました/



・・とその前に、インタビュー内容に先駆けて、見せて頂いた宿泊設備をこちらでご紹介したいと思います。長崎にいると、なかなか宿泊するという機会は無いので、説明を聞く間は終始ワクワク。とってもコージー、洗練されたシンプルさで、長崎に流れるゆっくりとした時間を楽しめる、そんな空間。とっても勉強になりました。皆さま、長崎へお越しの際のお宿は決まりですね・・!

-カフェの上に併設されたドミトリー。完全な個室ではないスタイルが印象的でした。

-左側の扉を開けるとこの様に。

-地下の階段をおりると、4人用のお部屋

-ここで旅の思い出を語らいながらワイワイ・・・最高ですねぇ


そして今回、お話しを伺ったのはHostelあかりのオーナー岸川信吾さん。Hostelあかりは長崎にあるインターナショナルホステルで、ROUTEは2店舗目にあたるそうです。そしてなんといってもその人気、Hostel Worldというwebサイトで2009年にはアジアで3位、2010年には日本で1位、あかりさんはベストホステルを受賞されています。そんな世界のバックパッカーたちに愛されるホステルについて知りたい、とその経営や長崎という地にフォーカスを当ててお話を伺いました。


株式会社あかり 岸川信吾さん


-ゲストハウスを始めるに至った経緯おしえてください。

「長崎という場所で、コミュニティづくりに繋がるものを作りたかったんです。その時、海外からのゲストの受け入れに重点を置いたホステルの経営が面白そうだと思いました。海外に出た時のおもしろさって、その街に住んでいる人(ローカル)目線で現地のリアルを感じた時だと思うんです。そういった“もう一歩深く入る観光”を後押ししたい、という気持ちが強くありましたね。」



-なるほど、長崎はそういったローカル面における力の入れ方が足りないということでしょうか。

「そうですね~。長崎はたしかに歴史・平和の街などといった、観光要素が強い街だと思います。とはいっても地方都市で都会ではないです。よって街のブランドという点では、もっと小さな部分から、その魅力を発信できればと思いますね。小さい経済から大きな経済が生まれるように、小さなコミュニティから街の大きなコミュニティ、成長が生まれると思います。また日常の国際交流という観点から言うと、長崎に来る海外の人って、もちろん一概ではありませんが、本当にまじめな人が多いんです。長崎は都会ではないし、アクセスも良くない。その中であえてこの場所を旅先として選ぶ。そこで、こうして目的を持って赴いてくれた外国のお客様とローカルをつなげる一つの企画として、“SHORT WALK WITH NAGASAKI LOCALS”という取り組みも行っています。海外からのお客様と地域の方が、一緒に長崎の街を歩き、同じ時間を共有する。観光地を案内することがすべてではなく、街をローカルな目線で見てみる。こういった角度の違う観光を推していきたいと思っています。」


(あかりさんが作成している街歩きmap。英語と日本語で細かい所までびっしり。)


-地域から世界から、沢山の出会いがあるお仕事、やりがいも大きいですよね?

「やりがい・・・そうですねぇ。仕事自体は派手なものでは無く、過酷です。しかし私にとって受け入れる側という立場は醍醐味であり、おもしろさを感じます。また続けているということは、充実感を得ているからですかね。とはいっても、日本におけるこの業界はまだ浅く、当たり前ですが、流行り廃れもあります。特にホステルという形態は比較的主体的で、自由度も高く、旅行者のスタイルや目的は、日によっても天候によっても変わります。経営面では柔軟性を持って、そういった消費者やマーケット(ニーズ)などの視点から見ていくことが必要だと感じますね。その中で地域に溶け込むこと、壁を越えること、それを切り開くためのアイディアを考える事が、モチベーションとなっているのかもしれません。」

(レンタルバイクサービスも。長崎で自転車は色々な意味で楽しいはず、、!)


-ホステル経営の先にある最終目標、ゴールはありますか?

「あくまで事業は社会的存在、私たちもいち商売人です。しかし事業としての競争にこだわり過ぎず、上でも述べた様に“街として価値を高めていく”という考えを共有していければと思いますね。その先にゴールがあるならば、定住者・移住者を増やすことです。言うなれば長い種まき。箱をつくって、その中にベッドを置くことは誰でもできます。しかしそれらを良い状態で継続させることは容易な事ではありません。これに関してはゴールはありませんね。宿泊はキッカケのひとつに過ぎないかもしれませんが、長崎でもう一日過ごしたい、更にはこの街に住んでみたい、そう思ってもらえる事が、何にも替えがたい喜びです。」                  

(文・写真 瀬島咲希)



なるほどぉ、まさにその通りですよねぇ、終始わたしが口走っていた二言。ここには書ききれない程、とってもためになるお話、まだまだまだあったんです。すべてご紹介できなくて残念です。すみません。。突然のアポイントメントにもかかわらず、お時間を割いてくださった岸川さん。世界のバックパッカーたちに愛される理由が、そのお人柄から伝わってきました。直接、その業界の方から聞くお話は、重みがあり、リアルであり、面白い。このお話しを経て、またこの業界への視点が変わったように感じます。また長崎という地への想い、観光ひとつとってもその切り口は印象的で、地域づくりやコミュニティデザイン、なんて呼べばいいか分かりませんが、そういったローカルの本当の面白さや醍醐味って、めちゃめちゃ身近にあって、でも楽しむ努力を惜しんではいけないのだな、と思いました。

正直まだまだたくさんやりたいことがあって、関心もバラバラ。そんな学生チックな悩みにも、「色々やってみればいいんじゃないですか。角度を決めて頑張るときが来るまで、エンジョイしては?」と、おっしゃっていた岸川さん。本来のインタビュー内容以外の面でも、たくさん学ばさせて頂きました。色々な方々にお話しを伺うたびに、その場所に愛着というか、勝手に親しみを覚えるのですが、やはり、今現在自分が生活をしている場所、住んでいる場所、これはかけがえのないものであって、そこで出会った方々とのご縁をもっともっと大切にしていきたいと思います

岸川さん、Cafe ROUTEのスタッフの皆さん、そしてこの記事を読んでくださった皆様、ありがとうございました。

-Routeのスタッフさんと、同じ建物にあるガラス工房のスタッフさん


Saki

大学生が行った、見た、聞いた、感じた

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