フランスの一般家庭に2週間住んで感じた事



「好きな時に来て、好きなだけ居なさい。宿代を払うなんてリディキュラス(ばかげた)よ!」


フランスからこんなメールが届いたのが、旅行に行く数か月前、友達のお母さんからでした。

なんなら“急にお邪魔して迷惑では・・”とか私が言うものなら、がちで怒られる。

いわゆる日本の建前みたいなものは、はっきり見える部分では無いのかもしれないです。

そんなことを気にするくらいなら、ちゃんと言葉にして、分かりあう。

自分の感情を、素直に表す。(素直過ぎることもあるけど)

そんな雰囲気が私の最初に見たフランスの第一印象でした。



滞在していた友だちの家は近所の高台から遠くにエッフェル塔が見える、パリから電車で数分の場所にありました。(実は都会っ子だったのか、とその時知る)

他人の家に一定期間住むという事は、アメリカでのホームステイぶりだったので、

その時の記憶を呼び起こし、当時注意されたトイレットペーパーの使い過ぎには気を付けようと心に決める。笑

滞在1日目、毎度恒例の時差ボケで夕方までの仮眠のつもりが夜の9時に目を覚ます。しまった・・・という顔でリビング向かうと、私の名前を楽しげに叫びながら、待ってましたとばかりに夜ご飯の準備をし始める皆さん。

・・・え、もしかして食べずに待っていてくれたの!?ごめんなさあぁぁあい!!泣 


ここが違うよフランス家庭①
-夜ご飯は基本遅め

待たせてしまった事には変わりないので申し訳ないのですが、フランスは晩御飯はだいたい8~9時ごろ食べるらしいです。寝る前とかも普通に。レストランも夜7時とかはまだガラッガラで、おいそれチャンスだとばかりに私は友達を説得し入店しましたがね(私の体内ディナー時計は日本時間なのでオーライ)

・・・

そして食事を済まし食器を片付けようとする手を止められ、お父さん及び弟、男性衆がせっせとお片付けを始める。翌朝は早く起きて、アイロンがけに勤しむパパの姿。

ここが違うよフランス家庭②
-男性が家庭的

これは実際にデータとしても実証されているのだそうです。事実、日本の男性に好みのタイプを聞いてみるとよく「家庭的な女性」という意見は耳にすることも多いはず。日本でもフランスでも、夫婦共働きは一般化してきているはずなのに、家事に至ってはそこには差が存在する。それを裏付けるかのように、友達から”日本の知事が妊婦体験”という記事のURL+泣きながら笑っている絵文字×5が送られてきました。彼らからしてみれば、そのイベントの意図が驚きだった模様です。

・・・

家事や夫婦共働きに関係して感じた事もうひとつ。なんとなくですがフランスは”お母さんはこうあるべき”、例えばごはんは何品も作らなきゃ、のようなことはあまり感じなかったように思います。夜ご飯も、どちらかというと、ササッと済ませる感じで。手抜きとかそういう話ではなくて、仕事から遅く帰って来て、みんな平等に疲れていて、その状況を考慮すると、こうなります、のような。もちろん子供も手がかからない年齢だし、私も一つの家庭しか見ていないので一概ではないですが、他の方の話を聞いても、似たようなことを言っていました。そのかわり、と言えるかは定かではないけれど、家族間のスキンシップはすごい。愛情注がれとるなぁ~と感じざるを得ない感じです。これもまた、結果的にいろいろと関係してくるんだろうなぁ、と分析する自分。

・・・

そして夕食後の団らんタイム、お母さんにふときいてみました。

「娘をアメリカに送り出すときは、どんな気持ちだったの?」

返ってきた返事は、「彼女はもう、一人の女性。きちんとやっていけると信じていた」

ここが違うよフランス家庭③-家族でもあり、一人の人間でもある

よく日本では、子供が出来ると男性はお父さんに、女性はお母さんになると言います。これはまた世界共通あたりまえであると思います。違うのは、その役目が生活の中で占める割合なのではないかと思います。親が子供の事を一番よく分かっていることは当たり前、しかしそんな近い関係の間にも、良い意味でプライバシーというか、一人の人間として見る姿勢があるように感じました。つまり、パパママも男性と女性。ひとたび視界でとらえる二人はまるで恋人のような雰囲気でした(笑) と言いつつも、やはり娘は娘。内緒で友達がいないとき、私がとった彼女の変顔写メを見せると、満面の笑みでずっとそれを見つめていました。

これはあくまで私の感じたことなので、いち情報としておきたいのですが、さいしょに感じた第一印象はあながち間違いではなかったと思っています。何をすれば自分や周りの人が楽しめるか、何を幸せとして大切にすべきなのか、という気持ちに素直過ぎる人たちだと感じました。

そしてもうひとつ思い浮かんだことは、次はその友達を我が家にぜひ招待したいということでした。

彼女が大好きな味噌汁が毎日飲めるぞ、といった感じで釣ろうと考えています。


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